北白川教会、創立へから現在

 1949年9月9日北白川修道院に小聖堂が開設されました。信者および修道院の会員数が増えるにつれ1950年8月17日北白川修道院別館(カリエ・ウイング;現在の司祭館)が建設され祝別が行われるとともに、聖堂も別館内に移動しました。その翌日、初のミサが別館にて司式され、8月30日には古屋京都教区長によって新聖堂が祝別されました。


 1950年12月30日ピエール・カリエ神父フランソワ・プリューダム神父は、北白川教会が京都教区で現在のように独立した小教区になるように古屋京都教区長に要請しました。教会の所有について古屋京都教区長と聖ヴィアトール修道会との間で1951年12月27日に締結されていた協定書に、8月10日「同小教区は教会法1425条2項の文言に従い、いかなる留保もなく無制限に聖ヴィアトール修道会に付属する」ことを明記した条項が付加されました。


 こうして、当教会は修道院直轄の教会・独立した小教区としての道を歩み始めました。


 当初の家屋では手狭であり、修道会会員の部屋ともう少し大きい聖堂も備えた建物を建てることについて古屋京都教区長に相談し1952年1月に協定書の仮契約がなされました。同年6月1日古屋教区長は聖ヴィアトール修道会総長に教会設立を公式に要請、8月26日、総長の公認を得ることができたので1階に30人くらい入れる聖堂を造り教会として使用しました。

[初代教会]

[第2代教会(1)]

[第2代教会(2)]


 1953年修道院内の聖堂が狭くなったので、1階は信徒集会所や勉強の場所とし、2階を聖堂とした教会が建てられ、ほぼ完成した12月25日に荘厳ミサがあげられました。1954年2月7日には北白川教会の献堂式が古屋司教(1951年8月1日教区長から司教に任命された)の司式によって執り行われました。


 その後、この建物は40年の間、聖ヴィアトール北白川教会として使用されましたが、1993年8月老朽化したため取り壊されました。1994年3月に現在の聖堂を献堂し、レイモンド・田中健一司教の司式で献堂式が行われました。この教会は教会入口にスロープを設置し、段差をなくし、身体障害者用トイレ・乳児のオムツ交換用ベッドも備えるなど工夫をこらした建物です。

 美しい音色を出す鐘楼の3つの鐘はイタリア製で、この新しい教会のために作られました。それぞれの鐘には「信」、「望」、「愛」の文字が印されています。この鐘は、京都にいる聖ヴィアトール修道会の神父たちと以前から親交のあったイタリア人、リノ・ベリーニ神父(聖ザベリオ宣教会)の出身地イタリアのモントリオ・アル・ヴォマノ(Montorio Al Vomano)、イタリアの教区の教会から寄付して頂いたものです。

[鐘楼上段/愛]

[鐘楼中段/信]

[鐘楼下段/望]


 聖ヴィアトール北白川教会は京都大学に近接する地域であり、若人や、また、近年はことに外国人留学生や研究者の家庭が多く在住しておられるため、御ミサ後の交わりは家庭的で国際色豊かです。


 2007年1月パウロ大塚喜直京都教区長の共同宣教司牧に則り、京都教区長から各小教区規約見直しの要請がありました。聖ヴィアトール北白川教会においても小教区規約が検討されましたが、聖ヴィアトール北白川教会は聖ヴィアトール修道会直轄の教会であり、修道会は主任司祭を設置、かつ、京都教区の小教区でもあるため、主任司祭は東ブロック(2011年より洛北ブロック)の担当司祭も兼ねるこの二面性について、教区長と修道会の間で意見交換が繰り返された結果、2008年1月付で今まで通り主任司祭を置き、修道院直轄の教会であるとともに、京都教区の担当司祭も兼ねることを承認されました(洛北ブロック編成時よりは、京都教区の担当司祭は兼任していません)。


 現聖堂が献堂された時から念願であった聖堂内ベンチを献堂時に新規に造ることは叶いませんでしたが、15年経て、聖ヴィアトール北白川教会の一信徒の寄贈により、2008年12月ベンチを新規に制作・設置し、更に翌年4月聖堂の2階回廊の窓にステンドグラスも寄贈され設置することができました。

 2011年聖ヴィアトール北白川教会は、ブロック編成に伴い衣笠教会(山国教会・宇津教会)、西陣教会、小山教会、高野教会とともに洛北ブロックに編成されることとなりました。
 

 2011年10月23日には、ヴィアトール会のマーク・フランシス総長、カナダ本部の管区長代理・当教会9代主任司祭のシャルボノ神父が来日し、パウロ大塚喜直司教の司式の中、ヴィアトール修道会のアンノ菅原友明修道士が助祭叙階され、当教会小教区創立60周年を迎えることが出来ました。60周年にあたっては、教皇ベネディクト16世より書状が授与されました。

 

 これからも、修道会創立者ルイ・ケルブ神父の目指した「キリストの御言葉に従って、信仰を生かし、深め、たたえる共同体」としてカトリック聖ヴィアトール北白川教会は、祈りを大切にしつつ、地域や社会との交わりを保ち、奉仕活動を積極的に行っていきます。

助祭叙階式

記念撮影

ローマ教皇様からの

60周年記書状授与


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