トピック

2018年

12月

08日

くすぐりの聖母

マサッチョ「くすぐりの聖母(カッシーニの聖母)」、1426―27年、ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
マサッチョ「くすぐりの聖母(カッシーニの聖母)」、1426―27年、ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

 待降節は他のどの季節よりもマリア中心の季節。それは、数週間後にマリアが母としてイエスを生むからだけではなく、教会も母として、信仰の模範としてマリアと同じ心をもつから。マリアとイエス、教会とイエスの関係は神学のテーマであるだけではなく、考えられないほどさまざまな作品をこの世界に生み出したー美術、音楽、詩などの文学、ロザリオなどの信心業から料理に至るまで。教会堂も美術館も個人の住宅もそのような宝物に溢れている。

 教会の典礼には、待降節第4主日(A年B年C年の黙想を参照)と主の降誕の祭日(夜半)の他にも、母マリアに関係する祭日がある。たとえば、12月8日の無原罪の聖マリアの祭日と、1月1日の神の母聖マリアの祭日(こちらを参照)だ。

 このサイトではこれまでにも、マリアを描いたさまざまな絵画を掲載してきたが、今年は、とても美しいがきわめて珍しい絵画を紹介する。描いたのは、その本名よりあだ名で知られるルネッサンスの有名な画家マサッチオ(1401―1428)。数奇な歴史をもつ絵画だ。現在フィレンツェのウフィツィ美術館が所有しているが、ナチスの時代にイタリアから盗まれ、戦後ドイツから返却された際に、マサッチオのものと専門家が鑑定した。

 一般に聖母画はやさしいイメージで、りんごや小鳥などの小道具によって神学的な意味を付与されるが、この絵画には珍しい特徴がある。教会堂で使われる正式なものではなかったから、少し崩れた日常的なイメージだ。マリアは2本の指を伸ばし愛情深く幼子イエスを祝福している様子だ。しかし、祝福は赤ちゃんを笑わせる仕草に変わる。そのために、この絵は一般に、カッシーニという発注者に由来する正式な表題Madonna del Cassini(カッシーニの聖母)より、Madonna del solleticoという名前で親しまれている。イタリア語のソレティコは、英語でティクリンに相当し、くすぐりという意味。それほどのやさしさを示すマリアなのだ。

 くすぐりの聖母を描いた絵画はこの絵以外には、ラファエロが描いたフォリーニョの聖母(こちらを参照)しかないほど、珍しい絵画だ。マリアはイエスがかわいい子だから、笑わせようとしてくすぐる。くすぐられたイエスは微笑み、マリアの腕を小さな手でつかむ。きわめてリアルな描写だ。

 しかし、注意すべきところがある。それは、他の同様の聖母画を理解するために大切なことだ。古典的な美術では、マリアの顔は真面目で、笑わない。絵を見て祈り観想する人に画家が言いたいのは、イエスはマリアの子であるだけではなく、私たちのために十字架の上で死ぬために来られた方だということ。マリアはシメオンから言われる。「あなた自身も剣で心を刺し貫かれます」(ルカ2・35)。そのことはこの絵の2つの細部からも伺われる。一つは、イエスの首の周りの黒い鎖。ロザリオに見える。もう一つは、イエスの肩に描かれた、珊瑚のように赤い十字架だ。イエスの血を連想させる。こうした細部は、降誕祭に生まれるマリアの子がただの人間ではなく、私たちのために生まれる神の子だということを予感させる。


 降誕祭の準備のために、マリアへの2つの祈りを紹介したいと思います。最初は、奇跡が認められて今度列福されるアルゼンチンのエドゥアルド・ピロニオ枢機卿の祈り、次は、リジューの聖テレーズの祈りです。

小さな者たちの母よ

 

貧しい人たちと小さな者たち、

何ももっていない人たちと

誰からも理解されず孤独に苦しむ人たちの

母であるマリアよ、

主をくださったことに感謝します。

私たちは幸せに思い、

その喜びを多くの人たちに伝えたいです。

憎しみ合っている人たちに叫びたい、

「神は父であり、私たちを愛している」と。

恐れている人たちに叫びたい、「恐れるな」と。

疲れている人たちに叫びたい、

「前に進め、神がともに歩んでくださる」と。

 

途上にある人たちの母よ、私たちに教えて下さい、

あなたのように、受け入れらず迎え入れられなくても、

貧しく小さくあること、

野望を抱かないこと、

自分を忘れ人に尽くすこと、

平和と希望の使者であることを。

 

暴力の代わりに愛を満ちあふれますように。

人と人のあいだ、国と国のあいだに

正義がありますように。

真理と正義と愛の中に

キリストのまことの平和が生まれますように。

私たちがキリストを証しする教会でありますように。

 

(エドゥアルド・ピロニオ枢機卿)

私はあなたのもとに逃げ込みます

 

ああ、恵みあふれるおとめよ、

わたしは知っています、

あなたはナザレで貧しい生活を送っていましたが、

それ以上のことを望みませんでした。

選ばれた人たちの元后(きさき)よ、

法悦も奇跡も他の特別な出来事も、

あなたの生活を彩ることはありませんでした。

 

謙遜な人たち、「小さな者たち」は

地上にたくさんいます。

彼らは恐れることなく

あなたに目を向けることができます。

あなたは、彼らといっしょに道を歩み、

彼らを天国に導く比類のない母。

 

ああ、愛する母よ、

私はこのつらい追放の地で、あなたとともに生活し

日々あなたに従うことを望みます。

あなたの観想に逃げ込むと、

あなたの心には深い愛があります。

私のあらゆる不安は、

泣くことと喜ぶことを教える

あなたの母のまなざしの下に消え失せるのです。

 

(リジューのテレーズ)


今週の聖句と黙想

2018年

12月

02日

待降節第1主日

「このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ」(ルカ21・28)

Bernadette Lopez, from http://www.evangile-et-peinture.org/
Bernadette Lopez, from http://www.evangile-et-peinture.org/

過去の黙想はこちら

2018年の黙想はこちら

今後の主な予定

12月2(日) 

待降節黙想会

9:30~11:45 講話、黙想、ゆるしの秘跡

12:00~13:00 ミサ

12月2日(日)は9:30からのミサがありませんので、ご注意ください。

12月9日(日) ミサ後

日曜学校クリスマス会

日時変更とお休み

事務室の在室時間は現在のところ以下の通りです。なるべくこの時間帯に来室・連絡下さい

 

月・火・水、金 10:00~12:00

 

*変更の可能性があるため、来室の際には電話(075―724―6623)で確認願います。

聖体顕示は金曜日18:30〜19:00となっています。

カトリック教会のニュース

 当教会でいっしょにミサに与っていた霧島彬(鹿児島教区助祭)さんが司祭に叙階されます。叙階式は12月29日(土)午前 11時より鹿児島カテドラル・ザビエル教会で中野裕明鹿児島教区司教の司式により行われます。よい準備ができるように霧島さんのために祈りましょう。


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